体外循環技術
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新生児・乳児用膜型人工肺の臨床使用経験
―BABY-RXとα-CUBE2000の比較―
岩城 秀平山本 泰伸小山 美季横田 通夫坂本 喜三郎
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2004 年 31 巻 1 号 p. 13-16

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抄録
新生児・乳児用膜型人工肺CAPIOX BABY-RXを臨床使用する機会を得たので臨床評価を行った。2002年5月から2003年3月までの体重8kgから12kgの症例で,CAPIOX BABY-RXを使用した9例(C群)と,従来より使用してきた膜型人工肺α-CUBE2000,静脈リザーバーミディカードD754を使用した9例(α群)を対象とした。ガス交換能の比較において,開始直後のQp/Qt,CO2/PaCO2は有意差を認めなかった。開始時,冷却時,復温時のFiO2,PaO0,V/Qは有意差を認めなかったが,復温時のPaCO2でC群がα群に対して有意に高かった。ヘマトクリットの変化はすべてにおいてC群がα群に対して有意に高かった。血小板保存率,白血球増加率の変化は有意差を認めなかった。充填量,初期充填時リザーバレベルはC群がα群に対して有意に少なかった。ガス交換能において,灌流量1-5L/min以下では,十分な性能があり臨床使用に問題はなかった。BABY-RXは充填量の削減ができ,Htを高く維持できた。
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© 日本体外循環技術医学会
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