2024 年 38 巻 3 号 p. 311-316
小児気管支喘息治療・管理ガイドライン(Japanese Pediatric Guideline for the Treatment and Management of Asthma:JPGL)2020に引き続き,JPGL2023第4章では「喘息の評価」として,小児気管支喘息の診断と治療に必要な客観的な検査について説明している.喘息は免疫学的には2型免疫反応に偏った状態であり,その評価としての血清総IgE値や末梢血好酸球数,アレルゲン特異的IgE抗体やプリックテストから,喘息の診断や重症度の評価,治療効果の判定に重要である呼吸機能検査(スパイロメトリー,オシロメトリー,気道過敏性検査を含む)や呼気NO測定について解説した.これらの検査の中で,スパイロメトリーが最も重要であるため,原理から測定結果の解釈,小児患者での実施上の留意点について解説を加えた.