抄録
【要旨】プレコネクト心肺回路に内面処理に異なる技術を使用した,X-Coating(XC)とHeparin Coating(HC)回路を臨床使用し,ブラジキニン(BK)・顆粒球エラスターゼ(PMN-E)・白血球数(WBC)および白血球増減率,β-トロンボグロブリン(β-TG),血小板数(PLT)および血小板増減率,トロンビンアンチトロンビン複合体(TAT)について比較検討した。CPB回路は,テルモ社製スピードパック仕様とし,人工肺は,XC群にCAPIOX RX-25R,HC群にSX-18HRを使用した。その結果,ブラジキニンが,HC群で有意に上昇していたことから,XC群はCPB中のBK産生が抑制されることが示唆された。また,HC群において,β-TGの有意な上昇とPLT増減率の低下を認め,XC群においてβ-TGの産生が抑制され,PLTの温存効果が望めると考えられた。しかし,XC群においてWBC及びPMN-Eの上昇が有意であることから,免疫活性の抑制はHCが有利になる可能性も示唆された。