体外循環技術
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小児用静脈貯血槽の各種性能評価
―気泡捕捉能を中心に―
神谷 典男北本 憲永小出 昌秋
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2007 年 34 巻 1 号 p. 23-26

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抄録

【要旨】現在市販されている3種類の小児用静脈貯血槽(VR-R,M,D)を用いて気泡捕捉能の実験に加えブレークスルー・ボリューム(BV),ダイナミック・ホールドアップ・ボリューム(DV)を測定し,若干の知見を得たので報告する。BV測定は乳酸リンゲルを,DV,気泡捕捉能実験には牛血を使用した。気泡捕捉能は各条件下でのVR出口の気泡数と気泡径を測定した。結果から静脈部のBV,DVおよびカーディオトミー部のBVはVR-Rが最も少なく,優れたレスポンス性能を持つことが伺えた。気泡捕捉能は,低流量ではVR-Rが気泡検出0であったものの高流量では最も気泡検出数が多かった。VRレベルで気泡数,大きさに変化があると考えられたが,レベル50mLと200mLでは有意差は見られなかった。3種類のVRは混入した気泡は完全に除去することができず,マイクロバブルとして送血されてしまうことが危惧され,どのVRレベルにおいても1.0L/min以上の血流量では捕捉は不可能でVRの限界を感じた。

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© 日本体外循環技術医学会
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