体外循環技術
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胸腔鏡補助下右小開胸による体外循環法の検討
中島 康佑小森田 翔與座 千沙子河藤 壮平東郷 好美井上 堅司伊藤 新一永田 和之
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2007 年 34 巻 1 号 p. 27-30

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抄録

【要旨】近年,心臓外科領域でも内視鏡を用いた低侵襲手術(Minimally Invasive Cardiac Surgery: MICS)が行われてきている。当院でも弁膜疾患,心内修復術を対象としたPort-Accessシステムによる低侵襲手術を行っている。当院では,体外循環に際し特殊な医療用具を使用しないように工夫した。全身麻酔後右内頸静脈に留置したガイドワイヤーを清潔に術野へ誘導し,左大腿静脈より中心静脈ラインをとって手術を開始した。送血管を右大腿動脈より,下大静脈側の脱血管を右大腿静脈より挿入,上大静脈の脱血には大腿動脈送血用のカニューレを使用した。落差脱血では完全体外循環量が確保できない場合はVAVDを使用した。胸腔鏡補助下右小開胸は早期回復および美容面で患者に対して満足度が高い。カニューレがポートより挿入されていることを除いては,通常の体外循環と同じであるため突然の手技の変更やトラブル時にも速やかに対応することが可能である。これらのことから特殊な医療用具を使用しないで行える本法は有用であると考えられた。

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© 日本体外循環技術医学会
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