体外循環技術
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僧帽弁形成術における大動脈遮断下での僧帽弁逆流評価法
鹿島 裕菊地 慶太金築 一摩山岡 啓信今井 健介樋上 哲哉
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2007 年 34 巻 1 号 p. 31-34

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抄録

【要旨】僧帽弁形成術(MVP)における新しい術中評価法として,大動脈遮断中に逆行性冠灌流法を行い心拍動を再開することで,収縮期における僧帽弁の逆流評価を直視下に行う方法(Retrograde cardioplegic beating test:RC-beating test)を行っている。MVP中はcold blood cardioplegiaによる逆行牲持続的冠灌流法により心筋保護を行う。形成完了10分前に37℃ のTerminal Warm Blood cardioplegiaを注入し,その後37℃ の血液を150~250mL/min,注入圧30~40mmHgで持続注入すると自己心拍が再開する。Coronary sinusから注入された血液がテベシアン静脈を介して左室を充分に充満することで左室収縮期圧が70mmHg以上に達する。以上により,大動脈遮断下に僧帽弁の収縮期における閉鎖性が直視下に評価できる。RC-beating testは,大動脈遮断中の僧帽弁の逆流評価法として極めて有用な術中評価法であると考えられた。

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