体外循環技術
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免疫活性制御酸素(IDO)による白血球除去フィルターの性能評価
伊藤 康宏堀口 敦史海江田 章石川 隆志日比谷 信渡邉 浩次
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2007 年 34 巻 1 号 p. 4-6

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抄録

【要旨】白血球除去フィルター(LG-6:日本ポール)の効果を,マクロファージなどの免疫活性を制御する酵素indoleamine2,3-dioxygenase(IDO)によってトリプトファンから代謝されたキヌレニンを指標として検討した。体外循環は血液中の白血球やマクロファージを活性化するが,活性化白血球はサイトカインを産生するなどして術後症候群の原因ともなる。今回はインターフェロン(IFN)γによって活性化されるタイプの白血球を,LG-6がどの程度の効率で除去できるかについて体外循環後の活性化残血で測定した。その結果,血中キヌレニン濃度は20分のフィルトレーションで有意に減少した。この結果からIFNγ で活性化されるタイプの白血球はLG-6で除去できることが示された。IFNγで活性化される白血球にはマクロファージが多く,LG-6は活性化マクロファージの除去に有用であることが示唆された。この結果は,積極的に白血球除去を行うことが,術後のリカバリーにある程度の効果をもたらす可能性を示唆している。

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© 日本体外循環技術医学会
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