体外循環技術
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血液遠心ポンプの駆動音に関する基礎的検討
木下 由佳山崎 康祥四井田 英樹西垣 孝行高橋 裕三吉田 幸太郎小川 浩司峠崎 純一三谷 雅美松本 泰史山中 泰弘金子 麻衣定 亮志西岡 宏三木 梨紗子林 輝行
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2007 年 34 巻 2 号 p. 107-111

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抄録

血液遠心ポンプの耐久性は使用条件などにより変化し明確ではない。本研究は、血液遠心ポンプにおける非侵襲的かつ迅速な異常駆動診断を目的として、血液遠心ポンプ駆動中の音を捕捉して周波数分析を行った。実験はin vitro下にて、回転数1,000回転/分の固定運転で、長期駆動および気泡混入の二種類の試験を行った。長期駆動では、100Hzの基本周波数が、日数経過とともに200Hzへと離散する傾向が見られた。気泡混入では、気泡の混入とともに基本周波数100Hzが200Hzへと変化したが、気泡混入量と周波数変化に規則性は認めなかった。実験終了後の遠心ポンプ軸シール部分の電子顕微鏡による観察では、軸接触部分に著しい変性を認めた。以上の結果から、血液遠心ポンプの音響変化が、駆動状況に関与していることが示唆された。

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© 日本体外循環技術医学会
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