2007 年 34 巻 2 号 p. 112-116
我々は、高性能化により、デバイスの小型化を図るとともに、閉鎖回路の検討を行ってきた。当社で開発した遠心ポンプは、充填量20mLにて、最大流量7L/minを実現した。しかし遠心ポンプ付容積移動型ポンプ(ローラーポンプ)と比較し、その特性ゆえに、微細な容量調整や、低流量域あるいは、低回転域での容量負荷調整の難しさがある。この問題を解決するために、流動状態を維持しつつ、貯血容量が可変でき、貯血容量の把握が可能な、閉鎖チャンバー式静脈血リザーバを開発することにより、遠心ポンプの安全性を最大限に活用可能な、閉鎖回路システムの開発検討を行った。今後、臨床評価を重ねることにより、安全な運用方法の確立を図る予定である。