2022 年 2 巻 1 号 p. 1-11
はじめに:大学生アスリートにおける摂食障害の有病率を推定することを目的とした。
対象と方法:体育系部活動に所属する大学生442名を対象に,EDDS-DSM-5 version日本語版を用いて有病率を算出した。
結果:何らかの摂食障害の診断に該当した者の比率は,全体で7.0%(男性で3.9%,女性で12.3%)となった。競技種目別では,男性が格技系(13.3%),球技系(3.5%),標的系(3.4%)の順で,女性では審美系(17.4%),標的系(14.3%),記録系(10.0%)の順で有病率が高かった。
考察:本研究の意義は,本邦における男性アスリートの有病率を明らかにした点,リスクが高い競技種目を明らかにした点にある。
結語:本研究は,本邦の大学生アスリートにおいて,男女ともに一定数の摂食障害を抱えている可能性のある者が存在すること,そしてリスクの高い競技種目の特性を踏まえた支援の必要性を示唆した。