2022 年 2 巻 1 号 p. 12-18
摂食障害の精神病理はゴールデンケージ(金の鳥籠)の子鳥から同級生間の競争へ普遍化した。その結果,熱心ではあるが金の鳥籠を形作る家族から複合家族,さらには家族崩壊へ,成績優秀・品行方正な良家の子女から,多衝動性,回避性パーソナリティ障害(全般性の社交不安症),神経発達症,複雑性心的外傷後ストレス障害-発達性トラウマ障害,アタッチメントの問題と多様化した。家族との隔離が必須でなくなったことで入院から外来治療へのパラダイムシフトが生じているが,異質性のため治療的困難さは増している。そこで従来のカテゴリー診断を超えて,摂食障害に直接関連する症状のみならず併存症を含めたプロトタイプを念頭に的確に診立て,傾聴・寄り添いを越えて,超純粋にvalidationし,人格の病理(生きづらさ)への積極的な治療介入が必要となった。