運動は心身の健康に多くの利益をもたらすが,アスリートは過酷なトレーニング環境や社会的なプレッシャー,体型の維持や増減の必要性などから摂食障害や相対的エネルギー不足,骨粗鬆症,無月経などに陥りやすいことが知られている。しかし,摂食障害を抱えるアスリートの中には,自らの症状を申告したり,専門家に相談したり,治療を受けることに消極的なケースも少なくない。したがって,スクリーニングや介入は,綿密に計画・実施される必要があり,アスリートにおける摂食障害のリスク要因を理解し,予防策や早期発見を含めた適切な対策が求められる。本稿ではアスリートと摂食障害に焦点を当て,先行研究と推奨事項をご紹介する。