環動昆
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プラスチック・コンテナを用いたカワネズミChimarrogale platycephala (Temminck) の生息調査法
市川 哲生中村 寛志吉田 利男
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2004 年 15 巻 3 号 p. 169-177

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抄録
12月から3月を除く2001年9月から2002年11月にかけて, 長野県の木曽川流域および天竜川流域において, プラスチック・コンテナを用いたカワネズミの生息調査法を確立することを目的に, 食痕による出現種の推定, プラスチック・コンテナ設置期間について調査を行なった. カワネズミの食痕はコンテナ内部に, 餌である生魚の頭部から背骨を残さずに, 半分ほど紛失する状態で残るものや, そのような食痕がついた状態でコンテナの出入り口から糸ごと外に引き出されるといった特徴がみられた. プラスチック・コンテナ設置期間中の降雨などによる中断によって設置期間は長期化する傾向がみられ, 流路幅は設置期間を変化させることはなかった. 非生息地点と判定されるまでに最低限必要なコンテナ設置期間を推定した結果, 17日間であった.
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© 2004 日本環境動物昆虫学会
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