教育心理学研究
Online ISSN : 2186-3075
Print ISSN : 0021-5015
ISSN-L : 0021-5015
原著
部活動における先輩後輩関係の研究
—構造, 実態に着目して—
小野 雄大庄司 一子
著者情報
ジャーナル フリー

2015 年 63 巻 4 号 p. 438-452

詳細
抄録
 本研究の目的は, 中学校と高校の部活動における先輩後輩関係の構造を明らかにし, また学年や性別, 部活動のタイプやレベルによって先輩後輩関係にどのような違いが生じているのか, さらに先輩後輩関係が, 部活動の活動内容や特徴によってどの程度予測されるのか明らかにすることであった。そのため, 全国の中学生と高校生711名を対象に質問紙調査を実施した。その結果, 中学生・高校生ともに1年生が最も先輩後輩関係を感じやすい立場にあり, 中学生では男子よりも女子の方が先輩後輩関係を厳しく捉える傾向にあることが明らかになった。また, 部活動のレベルやタイプ別の検討では, 競技・コンクール等で高いレベルで活躍する部活動や, 文化部よりも運動部において, 先輩後輩関係が明確になることが明らかになった。さらに, 部活動の方針や性格等が, 先輩後輩関係の各側面を高く予測することが明らかになった。
著者関連情報
© 2015 日本教育心理学会
前の記事 次の記事
feedback
Top