本研究の目的は,保護者評定と教諭評定による日本語版子どもの行動抑制尺度(日本語版BIQ)を作成し,その信頼性と妥当性を検討することであった。対象者は3―5歳の子どもであり,保護者評定497名,教諭評定609名による測定が行われた。確認的因子分析の結果,保護者評定と教諭評定による日本語版BIQは6因子構造であることが示された。内的一貫性と3ヶ月後の再検査の検討から,信頼性が確認された。また,収束的妥当性について検討したところ,日本語版BIQとCBCLとの分析から多くの下位尺度に有意な相関が確認された。保護者評定と教諭評定の妥当性を検討するために,見知らぬ人と接する新奇場面を設定して子どもを直接行動観察した。31名の子どもの行動観察を行い,日本語版BIQスコアと行動観察データとの間に有意な相関が認められた。これらの結果から,保護者と教諭による評定が,子どもの行動抑制を測定するために有用な方法であることが示唆された。