教育心理学研究
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ロールシャッハテストのPattern Analysis
施設児を対象として
池田 徹太郎河合 隼雄
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1969 年 4 巻 3 号 p. 15-19,60

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抄録

てこの研究はロールシャッハテストを用いて, 施設児の人格の型を見出そうとしたものである。
(1) 施設児の人格の型として4つの型が予想された。それらをロールシャッハテストの記号の組合せにより明確化するために, 制御の様式により, SI型, O型, W 型, C型に分類した。
(2) SI型は優秀児が多く, C型は問題児が多かった。
(3) O型は年令と共に減少し, 他の4つは年令と共に増加する。
(4) ロールシャッハテストの他の記号との関係が分析され, それによって4つの型の特性が明かになった。それらは
SI型内的・外的制御良好で, 自発性にとみ, 知能も高いがやや不安感がある。
O型制御の機制を獲得して居らず, 感情を表面に現わす。
W型社会的に孤立することにより, 無制御な行動をさけるもので, 漠然とした不安感をもつ。
C型感情を収縮さすことにより爆発的な行動をさける。生産性にかけ, 対人関係も悪い。
此の研究を指導して下さった京大教育学部の倉石精一先生, 京大文学部の園原太郎先生, 及び我々の研究に協力して下さった天理養徳院の皆様に感謝致します。

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© 日本教育心理学会
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