教育心理学研究
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青年の学校への適応感とその規定要因
青年用適応感尺度の作成と学校別の検討
大久保 智生
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2005 年 53 巻 3 号 p. 307-319

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抄録

本研究の目的は, 個人-環境の適合性の視点から適応状態を測定する青年用適応感尺度を作成し, その信頼性と妥当性を検証すること (研究1), 作成された適応感尺度と学校生活の要因 (友人との関係, 教師との関係, 学業) との関連を検討すること (研究2) であった。研究1では中学生621名, 高校生786名, 大学生393名が, 研究2では中学生375名, 高校生572名が調査に参加した。作成された尺度の因子分析の結果から, 従来の適応感尺度の因子とは異なる「居心地の良さの感覚」,「課題・目的の存在」,「被信頼・受容感」,「劣等感の無さ」の4因子が抽出された。また尺度の信頼性と妥当性を検討したところ, 個人一環境の適合性の視点から作成された適応感尺度は, 十分な信頼性と妥当性を有していると考えられた。学校生活の要因と適応感との関連について重回帰分析を用いて学校ごとに検討した結果, どの学校においても「友人との関係」が適応感に強く影響を与えていた。一方,「教師との関係」,「学業」と適応感の関係の構造は学校ごとに異なっていた。以上の結果から, 青年の学校への適応感について, 各学校の特徴を踏まえた上で研究を進めていく必要性が示された。

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© 日本教育心理学会
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