抄録
てんかん発作の出現を契機に発見された左内頸動脈欠損症の12歳男児例を報告した。生来健康であったが、6カ月の間にテレビ視聴中のけいれん発作を2回繰り返し来院した。精査目的で施行した頭部MRIにおいて左内頸動脈のflow voidが描出されず、MRA及び骨条件の頭部CTより左内頸動脈欠損症と診断した。脳波上右中側頭及び後頭に鋭波を認めたため、けいれんはてんかんによるものと考えられた。しかし欠損側と脳波上の発作波出現部位は対側であり、明らかな症候性てんかんとは断定できなかった。カルバマゼピンの内服開始後、発作はコントロールされている。