てんかん研究
Online ISSN : 1347-5509
Print ISSN : 0912-0890
ISSN-L : 0912-0890
症例報告
若年発症歯状核赤核淡蒼球ルイ体萎縮症の不随意運動に対するTRH療法
中山 智博舟塚 真林 北見斉藤 加代子小国 弘量大澤 真木子
著者情報
ジャーナル 認証あり

2007 年 25 巻 1 号 p. 4-9

詳細
抄録
脊髄小脳変性症に対するTRH療法は構語障害や歩行障害などの臨床症状の改善に有効である。今回我々は、遺伝子検索にて歯状核赤核淡蒼球ルイ体萎縮症(DRPLA)と診断された(CAGリピート数71)24歳女性の不随意運動に対し、バルプロ酸(VPA)、クロナゼパム(CZP)等各種抗痙攣剤では効果がないためTRH療法を施行したところ、著明な効果を認めた。また同時に日常活動度が改善した。しかしながらその効果は徐々に減弱し、幻覚が出現したため1年で治療を中止した。不随意運動に対する効果が認められたことにつき文献的考察を加え、ここに報告する。
著者関連情報
© 2007 日本てんかん学会
前の記事 次の記事
feedback
Top