てんかん研究
Online ISSN : 1347-5509
Print ISSN : 0912-0890
ISSN-L : 0912-0890
原著
ウエスト症候群の血漿・髄液中サイトカインおよび血漿ACTH濃度の検討
小一原 玲子浜野 晋一郎山本 英明山口 明大石 勉
著者情報
ジャーナル 認証あり

2012 年 30 巻 1 号 p. 27-34

詳細
抄録
ウエスト症候群における免疫学的関与を検討した。当院に入院した51例の治療前の血漿、髄液中サイトカイン(IL-1β、4、5、6、8、10、12、15、18、IFN-γ、TNF-α)、血漿ACTHを測定した。(1)症候性と潜因性、(2)治療効果、(3)治療前の発作頻度、(4)長期発作予後において、それぞれを比較検討した。結果は全症例で血漿IL-18が高値を示した。比較検討では、発作頻発群で血漿INF-γが有意に高く、発作稀発群で髄液IL-15が有意に高かった。その他の比較では有意差はなかった。血漿ACTHの平均値は基準値よりも高値だった。IL-18は副腎、下垂体前葉に発現し、corticotropine-releasing hormone(CRH)が関与する視床下部-下垂体-副腎系により活性化されるとされている。ウエスト症候群の発症機序の一つとされているCRH過剰説を支持するものと思われた。
著者関連情報
© 2012 日本てんかん学会
前の記事 次の記事
feedback
Top