抄録
小児てんかん重積状態および発作群発状態に対してphenobarbital(PB)静注維持療法を施行した7症例(男:女=4例:3例、中央値年齢2.9歳)を後方視的に検討した。初回静注量は平均18.5mg/kg、静注維持量は平均4.8mg/kg/day、静注維持療法の実施期間は平均2.6日であった。有効例は5例で、全て局在関連性てんかんであり、うち1例でmidazolam持続静注を中止し、PB内服療法に移行できた。脳波所見は5例中2例で改善した。副作用は傾眠傾向を2例で認め、1例は無治療で改善し、残り1例は追加治療の影響で改善の有無が評価できなかった。その他の重篤な副作用は認めなかった。小児てんかん重積状態および発作群発状態に対して、PB静注維持療法は有効かつ安全であり、PB血中濃度を20~30μg/mlに維持するためには、静注維持量として3.5~5mg/kg/dayが適当と考えられた。