てんかん研究
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原著
小児てんかん重積状態および発作群発に対する静注用phenobarbital維持療法の有用性と薬物動態についての検討
菊池 健二郎浜野 晋一郎松浦 隆樹鈴木 ことこ田中 学南谷 幹之井田 博幸
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2012 年 30 巻 1 号 p. 19-26

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抄録
小児てんかん重積状態および発作群発状態に対してphenobarbital(PB)静注維持療法を施行した7症例(男:女=4例:3例、中央値年齢2.9歳)を後方視的に検討した。初回静注量は平均18.5mg/kg、静注維持量は平均4.8mg/kg/day、静注維持療法の実施期間は平均2.6日であった。有効例は5例で、全て局在関連性てんかんであり、うち1例でmidazolam持続静注を中止し、PB内服療法に移行できた。脳波所見は5例中2例で改善した。副作用は傾眠傾向を2例で認め、1例は無治療で改善し、残り1例は追加治療の影響で改善の有無が評価できなかった。その他の重篤な副作用は認めなかった。小児てんかん重積状態および発作群発状態に対して、PB静注維持療法は有効かつ安全であり、PB血中濃度を20~30μg/mlに維持するためには、静注維持量として3.5~5mg/kg/dayが適当と考えられた。
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© 2012 日本てんかん学会
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