てんかん研究
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症例報告
Faciobrachial dystonic seizuresを呈した抗電位依存性カリウムチャンネル複合体(LGI-1)抗体関連辺縁系脳炎の1例
村田 佳子渡邊 修谷口 豪梁瀬 まや高木 俊輔中村 康子渡辺 裕貴渡辺 雅子
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2012 年 30 巻 1 号 p. 43-50

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抄録
高齢発症側頭葉てんかんにおいて、健忘症、気分障害、睡眠障害、排尿障害、唾液分泌過多、低ナトリウム血症を認め、抗電位依存性カリウムチャンネル複合体(voltage-gated potassium channel:VGKC-complex(leucine-rich glioma inactivated1 protein:LGI-1))抗体陽性から、抗VGKC複合体抗体関連辺縁系脳炎(VGKC-LE)と診断した。本例は数秒間こみあげ息がつまる発作が1日100回と頻発し左上肢を強直させることがあった。Iraniらは、VGKC-LEの中で抗LGI-1抗体を有するものは、3~5秒間顔面をしかめ上腕を強直させるfaciobrachial dystonic seizures(FBDS)を報告しており、本発作は診断の一助となると考えられた。本例は、本邦において抗LGI-1抗体とFBDSの関連を指摘した最初の報告である。
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© 2012 日本てんかん学会
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