てんかん研究
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症例報告
前頭葉起源の両側同期性発射の関与が疑われる失立発作を呈した皮質下帯状異所性灰白質の一例
石川 暢恒小林 良行藤井 裕士小林 正夫
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2013 年 31 巻 1 号 p. 40-46

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抄録
Lennox-Gastaut症候群を発症した皮質下帯状異所性灰白質(subcortical band heterotopias:SBH)を有する5歳児例について、ビデオ脳波同時記録にて捕捉された失立発作の発作時脳波について検討した。脱力の発生に一致して両側前頭部優位に鋭波が出現し、その後全般性高振幅徐波を認めた。脱力後に無動状態が持続し、脳波上全般性棘波群発出現後、両側前頭部に両側同期性高振幅徐波のrunが挿間性に出現した。
失立発作に対し、外科的治療として一期的な全脳梁離断術を施行したところ、失立発作は消失した。発作時脳波および術後経過の検討から本症例の失立発作の病態機序に両側前頭葉からの両側同期性てんかん性活動が関与していることが推測された。SBHに基づく失立発作には発作時に全般性発射が認められる失立とは異なる病態機序である可能性がある。
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© 2013 日本てんかん学会
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