抄録
2~15歳の症候性または潜因性局在関連性てんかん患児27名に対して、トピラマート(TPM)1~9mg/kg/日を他の抗てんかん薬に追加投与した際の薬物動態、安全性および有効性を検討した。TPMを1日2回反復経口投与したとき、1~9mg/kg/日の用量範囲内で、トラフ濃度は投与量にほぼ比例して増加した。また、薬物代謝酵素誘導作用をもつ抗てんかん薬の併用例に対して、非併用例では最高血漿中濃度(Cmax)が約1.5倍、血漿中薬物濃度-時間曲線下面積(AUC0-τ)が約1.8倍であった。主な副作用として、傾眠、血中重炭酸塩減少、食欲減退、体重減少が認められた。薬物動態試験期間のてんかん発作発現頻度減少率の中央値は41.2%であった。日本人小児の薬物動態は、海外における小児てんかん患者を対象とした薬物動態試験の結果と概ね類似した。また、投与継続に問題となる副作用はなかった。