てんかん研究
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症例報告
内的動機づけと誤りなし学習を用いた拡散的思考リハビリテーションが有効だった言語障害のある側頭葉てんかんの一例
廣實 真弓渡邊 さつき渡辺 雅子
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2020 年 38 巻 2 号 p. 147-154

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抄録

症例は左側頭葉てんかん患者1例(30歳代、男)で再就職を希望していたが言葉が出にくいことが主訴だった。患者に失語症はないが拡散的思考を要する文構成テスト(SFT)、標準失語症検査補助テストまんがの説明、標準言語性対連合学習検査(S-PA)と、収束的思考に関連する失語症語彙検査(TLPA)低親密語の呼称検査に低下が見られた。本研究では患者本人の「もう一度仕事に就きたい」という希望に対応した自発話の改善を目指す訓練をすることで内的動機づけを促進し、拡散的思考訓練を誤りなし学習の形態で実施した。週1回言語聴覚士との訓練(60分)、週5回の自主トレを8週間実施した。訓練後改善が見られた検査はSFT、まんがの説明、S-PAだったが、TLPAの呼称検査には改善が見られなかった。患者は拡散的思考の訓練で効果が得られ、内的動機づけと誤りなし学習により自己効力感が改善しリハビリ後再就職に至った。

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© 2020 日本てんかん学会
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