てんかん研究
Online ISSN : 1347-5509
Print ISSN : 0912-0890
ISSN-L : 0912-0890
てんかん類型および抗てんかん薬の注意認知機能に与える影響
Dot counting testを用いて
足立 直人大沼 悌一久野 武村松 玲美鈴木 一郎
著者情報
ジャーナル フリー

1992 年 10 巻 3 号 p. 260-267

詳細
抄録

側頭葉てんかん (TLE) 患者27例と特発性全般てんかん (IGE) 患者25例, 健康正常者 (健常者) 18例に対しDot counting testを行い, その注意認知機能を測定した。てんかん群において, Dot counting testの成績 (DC score) と年齢, 性, てんかん罹病期間, 発作頻度との相関はなく, わずかに知能との相関を認めた。
てんかん類型ごとに健常者群と比較したところ, TLE群は有意な低成績 (p=0.006) を示したがIGE群は有意な差はなく, TLE群に注意の障害が多く認められた。
服用抗てんかん薬についてみると, 多剤服用群は健常者群に比して有意に低成績であり, 単剤服用群は有意な差を認めなかった。服用抗てんかん薬の種類による成績の差を認めなかった。ただしPHT服用患者の血中PHT濃度は, DC scoreとの間に有意な負の相関を認めた。

著者関連情報
© 日本てんかん学会
前の記事 次の記事
feedback
Top