てんかん研究
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Sleep-grand malの臨床的検討
伊藤 ますみ香坂 雅子角 哲雄森田 伸行宮本 環本間 裕士福田 紀子
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1992 年 10 巻 3 号 p. 279-284

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抄録

睡眠中の全般性強直間代けいれん (GTC) のみを呈する20例について, 臨床脳波学的検討を行った。発作は睡眠後半部, 次いで睡眠前半部 (主に入眠直後) に多く出現しており, 発作発現と睡眠過程との関連が推測された。また, 約75%で3年以上発作が抑制されており, 本症の予後は比較的良好と思われた。発作抑制群では, 非抑制群に比し, 治療開始までの期間が有意に短く, 本てんかん群においても早期治療開始が良好な予後と関連することが示唆された。
脳波上, 全般性異常波を示す例はなかったが, 一方, 約半数例に側頭部あるいは前頭部を中心に局在性異常波を認め, これらが局在関連性てんかんである可能性が示唆された。また, 終夜睡眠脳波にて初めててんかん性異常波が検出された例もあり, 終夜睡眠脳波はてんかん類型の決定に有用と思われた。

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