抄録
てんかんおよびてんかん症候群の国際分類 (ICE) を用いて, 4歳未満に発症したてんかん患者95例 (男児49例, 女児46例) の実態を検討した。55.8%が1歳までに発症した。局在関連性てんかんが73.7%と多数を占め, 全般てんかんは23.2%であった。特発性てんかんは極めて少数で, 5.3%に特発性全般てんかんの症例を認めるのみであった。年齢別に検討すると症候性局在関連性てんかんは3歳以上4歳未満発症の群で多く認められた。一方, 症候性全般てんかんは年齢が小さい群ほど多く認められ, 特に1歳未満発症例で多かった。病型の変容が認められた7例全例で, 発症は1歳未満であり, West症候群またはearly myoclonic encephalopathyに関連した変容であった。ICEを用いることで99%の症例で何らかのてんかん病型へ分類でき, ICEは乳幼児期においても有用であった。しかし, 症候群に分類できた症例は40%にすぎず, 特に局在関連性てんかんで分類できない症例が多く認められた。