てんかん研究
Online ISSN : 1347-5509
Print ISSN : 0912-0890
ISSN-L : 0912-0890
Carbamazepine単剤服用中に再生不良性貧血を発症した1例
田川 哲三隅 清臣板垣 裕輔田邊 裕司藤井 史敏
著者情報
ジャーナル フリー

1995 年 13 巻 3 号 p. 233-236

詳細
抄録
Carbamazepine (CBZ) 単剤治療中に再生不良性貧血を発症した1例を報告した。症例は31歳の女性である。複雑部分発作のため平成5年3月よりCBZの服用を開始し, 10月に著明な汎血球減少を認めた。骨髄は高度の低形成で再生不良性貧血と診断した。CBZを用いたリンパ球刺激試験は陰性であった。本例ではCBZと再生不良性貧血発症との直接的な因果関係は不明であったが, CBZ服用中に再生不良性貧血を発症した同様の報告例もみられ, 治療に際しては常に念頭におかねばならない。本例のように再生不良性貧血という重篤な疾患を発症しても症状の乏しい例も存在するので, 抗てんかん薬服用中には注意深い経過観察と共に定期的な臨床検査が必要である。
著者関連情報
© 日本てんかん学会
前の記事
feedback
Top