てんかん研究
Online ISSN : 1347-5509
Print ISSN : 0912-0890
ISSN-L : 0912-0890
グリオーマのてんかん原性に関するX線CT的研究
権藤 昌澄朝倉 哲彦中村 克己山元 國光三原 忠紘
著者情報
ジャーナル フリー

1984 年 2 巻 1 号 p. 42-49

詳細
抄録
てんかん発作は脳腫瘍の主症状の一つであるが, その出現率はさまざまな要因によって異なる。今回われわれはテント上グリオーマ (glioblastoma 28例, low grade astrocytoma23例) を対象としてCT scanにより腫瘍の局在, 周囲の浮腫および造影増強のされ方とてんかん発作の有無の関係を調べた。腫瘍の局在に関しては中心溝から前頭部・側頭部の腫瘍にてんかん発作を伴うものが多く, また右半球腫瘍に発作発現率が高かった。腫瘍周囲の浮腫に関してはその程度の軽度なものに発作発現率が高かった。次にグリオーマをcontrast CT所見により4型に分けて発作発現率を検討したが, 増強効果の乏しい腫瘍にてんかん発作発現率が高いことが知られた。
著者関連情報
© 日本てんかん学会
前の記事 次の記事
feedback
Top