2005 年 44 巻 2 号 p. 145-156
本研究では,リーダー行動に関わる自信を検討した。リーダーの自信を「リーダーとして必要とされる役割行動を確実に実行できると考える度合い」と定義し,それを測定するための測度を開発した。企業組織の管理者170名から得られた回答をもとに因子分析を施した結果,「他者との関係性領域」に関する自信因子(“メンバーの育成支援”,“メンバーとの関係構築”,“組織内外からの支援取り付け”)と「課題遂行領域」に関する自信因子(“メンバーへの権限委譲”,“問題対処行動”,“職場内での目標設定”,“革新行動”)の合計7因子が確認された。また,これらの各因子は十分な信頼性と適切な基準関連妥当性を持つことが明らかになった。最後に,高い自信を有するリーダーのマネジメント志向性について検討した。