実験社会心理学研究
Online ISSN : 1348-6276
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早期公開論文
早期公開論文の2件中1~2を表示しています
  • 前田 洋光, 山下 汐里
    原稿種別: 原著論文
    論文ID: 2416
    発行日: 2026年
    [早期公開] 公開日: 2026/01/23
    ジャーナル フリー 早期公開

    これまで,多数の選択肢が選択後の満足度を低下させることが示されており,選択のオーバーロード現象と呼ばれている。本研究は,獲得したい対象を選択肢とした従来のオーバーロード現象と異なり,忌避される選択肢を題材に検討したものである。参加者にギャンブル課題に失敗させた後,罰ゲームを選択させるという手続きをもとに,2(選択の自由の有無)×2(選択肢数の多少)のデザインで実験を行った。実験の結果,選択の自由がある条件でのみ,多数選択肢は,選ばなかった選択肢に対するコスト評価を指す機会コストや選択後のネガティブ感情を低下させることが示された。さらに選択後のネガティブ感情は機会コストが媒介していることが認められた。すなわち,忌避される対象を選択する場合では従来の選択のオーバーロード現象と異なり,選択肢数が多いほど,選ばなかった選択肢から受けたはずのコストが削減されたため,選択結果をよりポジティブに捉えたと考えられる。

  • 志水 勇之進, 小川 一美
    原稿種別: 展望
    論文ID: 2423
    発行日: 2026年
    [早期公開] 公開日: 2026/01/17
    ジャーナル フリー 早期公開

    本稿では,対人コミュニケーションの根幹をなす送り手の状態や特性に関する解読の正確さを測定する課題遂行型テストについて概観し,取り組むべき課題を論じた。まず,対人コミュニケーションの構成要素や解読などの基礎的なスキルの位置づけについて触れ,非言語的手がかりによる解読の重要性を述べた。次に,解読の正確さの測定に関する方法論的課題として,非言語的手がかりおよび解読対象の多様さや,解読における文化差,従来の評定方法の問題点について研究例を紹介した。解読の正確さを測定する既存の課題遂行型テストを刺激人物の文化的背景という観点から整理し,各テストにおいて利用可能な非言語的手がかりや解読対象,テストの信頼性および妥当性,それらを用いた研究で得られた知見についても紹介した。最後に,解読の正確さの測定における課題として,日本人を刺激人物としたテスト開発の必要性や,解読の正確さを適切に測定したうえで,知識や動機づけなどの解読の正確さの規定因について検討を行うことの必要性などを指摘した。

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