実験社会心理学研究
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原著論文
  • 安藤 香織, 大沼 進, 安達 菜穂子, 柿本 敏克, 加藤 潤三
    原稿種別: 原著論文
    2019 年 59 巻 1 号 p. 1-13
    発行日: 2019年
    公開日: 2019/08/23
    [早期公開] 公開日: 2019/03/26
    ジャーナル フリー

    本研究では,環境配慮行動が友人同士の相互作用により伝播するプロセスに注目し,調査を行った。友人の環境配慮行動と,友人との環境配慮行動に関する会話が実行度認知や主観的規範を通じて本人の環境配慮行動の実行度に及ぼす影響を検討した。調査は大学生とその友人を対象としたペア・データを用いて行われた。分析には交換可能データによるAPIM(Actor-Partner Interdependence Model)を用いた。その結果,個人的,集合的な環境配慮行動の双方において,ペアの友人との環境配慮行動に関する会話は,本人の環境配慮行動へ直接的影響を持つと共に,実行度認知,主観的規範を介した行動への影響も見られた。また,ペアの友人の行動は実行度認知を通じて本人の行動に影響を及ぼしていた。結果より,友人同士は互いの会話と相手の実行度認知を通じて相互の環境配慮行動に影響を及ぼしうることが示された。ただし,環境配慮行動の実施が相手に認知されることが必要であるため,何らかの形でそれを外に表すことが重要となる。環境配慮行動の促進のためには環境に関する会話の機会を増やすことが有用であることが示唆された。

  • 雨宮 有里, 高 史明, 杉山 崇
    原稿種別: 原著論文
    2019 年 59 巻 1 号 p. 14-24
    発行日: 2019年
    公開日: 2019/08/23
    [早期公開] 公開日: 2019/07/19
    ジャーナル フリー

    自伝的記憶の意図的想起と無意図的想起の検索過程についての主要な研究は,無意図的想起は抽象度が低い想起手がかりに対して直接に特定的記憶が検索される特殊な過程であると主張している。一方で,雨宮・高・関口(2011)は,無意図的想起は単に意図的想起と無意図的想起に共通の過程の産物であり,意図的想起では固有の生成的検索によってより高い特定性の記憶の想起がもたらされるとするモデルを提案している。本研究では,手がかり語法により,単語が表す出来事の経験頻度と想起意図の有無を操作し,雨宮らのモデルを検証した。その結果,無意図的想起は想起手がかりの抽象度に関わらず生じること,その抽象度に応じて想起される出来事の特定性が変化すること,意図的想起の方が無意図的想起よりも特定性が高いことが示され,雨宮らのモデルが支持された。またこのモデルは,先行研究との一見矛盾に見える相違を統合的に説明しうるものであった。

資料論文
  • 上原 俊介, 森 丈弓, 中川 知宏
    原稿種別: 資料論文
    2019 年 59 巻 1 号 p. 25-36
    発行日: 2019年
    公開日: 2019/08/23
    [早期公開] 公開日: 2018/12/07
    ジャーナル フリー

    怒りの表出に焦点を当てた従来の研究では,親密な人間関係を維持するためには怒りを抑制し制御することが重要であるとされてきた。その一方で,怒りを示す行動には相手の行動制御機能や自己開示機能が備わっているという点から,人間関係の親密化を促進する契機になると考える研究者たちもいる。そこでわれわれは,怒りを表出するほど親密な関係が継続しやすいと予測して,分析を行った。質問紙研究において,大学生参加者たちに最も印象に残った異性との失恋経験を想起させ,その経験について,交際期間と日頃怒りを表していたレベルを評価させた。これらのデータについて生存時間分析を行ったところ,強くはないが恋人に怒りを示していたと答えた参加者ほど,交際期間を有意に長く報告することが確認された。こうした結果を受けて,親密な人間関係においてみられる怒りの関係継続効果が議論された。

  • 沓澤 岳, 尾崎 由佳
    原稿種別: 資料論文
    2019 年 59 巻 1 号 p. 37-45
    発行日: 2019年
    公開日: 2019/08/23
    [早期公開] 公開日: 2019/05/22
    ジャーナル フリー

    本研究では,セルフコントロールがトレーニングによって向上するかを検討し,また新たなトレーニングの開発を行った。具体的には,スマートフォンの使用を控える,五分前行動をする,ハンドグリップを握る,日記を書く(統制)のうちいずれかのトレーニングに取り組む4条件に124名の参加者をランダムに割り当て,13日間のトレーニングを行う前後でセルフコントロールの測定(ストップシグナル課題)の成績がどう変化するのかを調べた。その結果,五分前行動を行ったグループでストップシグナル課題の指標において改善がみられた。この結果により,自動的な反応の抑制を繰り返し行うことでセルフコントロールを向上させうることが示唆された。

Short Note
  • Ryosuke Yokoi, Kazuya Nakayachi
    原稿種別: Short Note
    2019 年 59 巻 1 号 p. 46-50
    発行日: 2019年
    公開日: 2019/08/23
    [早期公開] 公開日: 2019/01/31
    ジャーナル フリー

    This study examined the determinants of trust in artificial intelligence (AI) in the area of asset management. Many studies of risk perception have found that value similarity determines trust in risk managers. Some studies have demonstrated that value similarity also influences trust in AI. AI is currently employed in a diverse range of domains, including asset management. However, little is known about the factors that influence trust in asset management-related AI. We developed an investment game and examined whether shared investing strategy with an AI advisor increased the participants’ trust in the AI. In this study, questionnaire data were analyzed (n=101), and it was revealed that shared investing strategy had no significant effect on the participants’ trust in AI. In addition, it had no effect on behavioral trust. Perceived ability had significantly positive effects on both subjective and behavioral trust. This paper also discusses the empirical implications of the findings.

  • Hirofumi Hashimoto
    原稿種別: Short Note
    2019 年 59 巻 1 号 p. 51-55
    発行日: 2019年
    公開日: 2019/08/23
    [早期公開] 公開日: 2019/03/30
    ジャーナル フリー

    The purpose of the current study was to clarify whether interdependent behavior among the Japanese is aligned with their expectations regarding others’ behavior or their own preferences. The participants were privately asked about their preference for independence or interdependence and their expectations regarding others’ independent or interdependent behavior. Then, they were asked to publicly express whether their own behavior was indicative of independence or interdependence. When comparing the participants’ preferences, expectations, and actual behavior, I found that interdependence was only evident in their expectations and public behavior; i.e., the participants answered that they preferred independence rather than interdependence, whereas they expected that others are interdependent and identified themselves as interdependent in public. These findings suggest that interdependent behavior among the Japanese is based on their expectations regarding others’ behavior rather than their own preferences.

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