実験社会心理学研究
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資料論文
就職活動中の情報探索行動および入社前研修が内定獲得後の就職不安低減に及ぼす効果
矢崎 裕美子斎藤 和志
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2014 年 53 巻 2 号 p. 131-140

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抄録
本研究は就職活動時の情報探索行動および入社前研修が内定獲得後の就職不安の低減に及ぼす効果を検討した。入社前研修としては,内定者向け研修と内定者懇親会を取り上げた。一般企業への就職が決定している学生177名を対象とし,質問紙調査を行った。因子分析の結果,内定獲得後の就職不安は1因子,情報探索行動は先行研究と同様の企業特徴,就活方法,自己関連,経験・体験の4側面で構成された。内定獲得後の就職不安に対し,各情報探索行動(高・低)×入社前研修(参加・不参加)の二要因分散分析を行った結果,内定者向け研修と経験・体験,就活方法の情報探索行動の交互作用効果,内定者懇親会と経験・体験の情報探索行動の交互作用効果が得られた。また,企業特徴,就活方法の情報探索行動と内定者向け研修の主効果は見られたが,内定者懇親会の主効果はみとめられなかった。本研究の結果から,就職活動中に情報探索行動を多く行ったうえで入社前研修に参加することが内定獲得後の就職不安低減に効果的であることが示された。
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© 2014 日本グループ・ダイナミックス学会
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