実験社会心理学研究
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PM式リーダーシップ論におけるリーダーシップパターン特性の精神生理学的検討 (III)
河津 雄介三隅 二不二小川 暢也
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1972 年 12 巻 1 号 p. 11-19

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抄録

生産性では明確な条件差は認められなかったが, 生理反応においては明確な条件差が認められた。即ち, P条件は, 被験者の心拍数を増加させ, GSRを増大させるように作用し, M条件は, 心拍数を減少させGSRを増大させるように作用した。また, PM条件は, 被験者の心拍数は変化させないが, GSRを増加させる作用をした。即ち, 受験による神経系の一般的興奮を反映するGSRにおいては, 変化の方向がすべて上昇変化で, 三条件間に差がなかったが, 状況特異的な生理指標であるHRにおいては三条件間に差がみられた。
認知にもとずく, 満足度その他の資料を参考に, J.I. Laceyのenvironmental inake-rejection概念にもとずいて, 考察が加えられた。即ち, PM型監督行動による刺激状況とLaceyらのいうenvironmental intake-rejection刺激状況との間に, 生理反応パターンを媒介として, 状況特性に関する一定の対応関係がみいだされた。

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© 日本グループ・ダイナミックス学会
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