実験社会心理学研究
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個人の意志決定行為と人格特性 (第1報)
ある大学の学生を対象として
M.H.B. RadfordL. Mann太田 保之中根 允文
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1989 年 28 巻 2 号 p. 115-122

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抄録

意志決定は, 文化の違いを越えて共通に見られる基本的な認識作用である。本研究は, 長崎大学に在学中の156名を対象にして, 意志決定行為と人格特性について, JanisとMann (1977) が提唱した意志決定の葛藤理論に基づく尺度により調査した研究の第一報である。調査結果は, 葛藤理論に基づく予想を支持するものであった。
すなわち, 意志決定者としての自己評価が高い場合には, 「熟慮」型の意志決定スタイルとポジティブな相関関係が見られ, 「自己満足」「防衛的回避」および「短慮」といった不適切なスタイルとの相関関係はネガティブであった。更に, オーストラリアの同年代で同質の学生と比較したところ, 意志決定行為の違いが明らかになった。この結果については, 意志決定の葛藤理論を文化の違いを越えて適用することの是非を問い直すという観点から考察をくわえ, かつ今後も継続的に比較研究することの重要性について述べた。

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© 日本グループ・ダイナミックス学会
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