実験社会心理学研究
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視覚的遮蔽下における座席配置が気分に及ぼす影響
山口 創
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1997 年 37 巻 2 号 p. 109-118

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抄録

本研究では, 2者のとる座席配置の特性のうち, 位置と視線に着目し, 視覚的遮蔽下において位置が気分に及ぼす効果について検討した。実験Iでは2者の視線を剥奪し, 距離 (近距離・遠距離) ×位置 (正面・斜め・横) ×身体方向 (前・後・左・右) のそれぞれに配置された被験者の気分について測定された。分散分析の結果, 位置の主効果だけに有意な差がみられ, 自分が相手の正面>斜め>横に位置する順に緊張や興奮が高まることがわかった。一方, 親密感や快といった気分は, 相手と自分との空間的な対称性によって高まることがわかった。次に実験IIでは相手に対する位置だけを把握させる実験を行った。空間の配置は実験Iと同様であり, 2者に視覚的遮蔽下で, 相手に対する位置だけを把握させた。また相手に対する位置を変化させる条件 (絶対空間条件) と, 相手の身体方向が変化することで相対的に位置の変化が起こる条件 (相対空間条件) を比較した。結果は, 空間様式の違いに関らず, 相手の正面, 斜め, 横に位置する順に緊張や興奮が高まることがわかった。これに対して, 親密・快の気分ではどの要因の効果もみられなかった。これらの結果について空間の特性と身体性といった見地から討論された。

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© 日本グループ・ダイナミックス学会
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