抄録
サポートの受け手にとって, 受容したサポートが期待した程ではないという事態はどのような影響を与えるであろうか。このことを縦断的研究により検討した。調査対象者は大学1年生 (364名) である。サポート源を父親, 母親, 入学以前から親しい学外の友人 (旧友) および入学後に親しくなった学内の友人とし, 入学直後にこれらのサポート源からのサポート入手の期待と, これらに対するサポート提供の規範意識をそれぞれ測定した。3ヶ月後に, サポート受容の程度を測定した。各調査時には心理的適応状態および自尊心も測定した。結果から, まず, 旧友のサポート提供に対する高い規範設定が明らかとなった。また, 両調査において同一のサポート源について回答したデータの分析結果は, ストレス経験の頻度が高い場合は, 旧友からのサポート受容が期待ほどではないことが適応および自尊心に悪影響をもたらし, 一方, ストレス経験の頻度が低い場合は, サポート受容が期待より多いことが適応および自尊心に悪影響をもたらすことを示した。これらの結果から, 期待と受容の不一致がもたらす影響についての考察がなされ, サポート受容の効果について新たな仮説が提案された。