抄録
ヘッドスペースガスクロマトグラフィー(HS-GC法)は薬品、食品添加物および食品中の残留溶媒の分析法として頻繁に用いられている方法である。本研究では、増粘安定剤(カロブビーンガム、グアーガム、ジェランガム)中のメタノールおよび2-プロパノールを分析対象とし、標準添加法を用いたヘッドスペースガスクロマトグラフィー法(HS-GC法)および水で蒸留後、留液をガスクロマトグラフィーで分析する方法(蒸留-GC法)により分析し、両方法で得られる溶媒量の比較検討を行った。その結果、HS-GC法と蒸留-GC法ではほぼ同程度の溶媒量が検出された。以上の結果から、増粘安定剤のような粘性の高い試料に対して、標準添加法によるHS-GC法は蒸留-GC法などと同等有用な方法であると考えられた。また、いずれの分析法においてもキャピラリーカラム(Aquatic-2ジーエルサイエンス(株))を用いて良好な分離が得られた。