森林立地
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植栽密度が異なるセンダン幼齢林の成長と幹材の形状
横尾 謙一郎
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2010 年 52 巻 1 号 p. 29-35

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抄録

センダン人工林において材長4m,年間直径成長量1cm(年輪編5mm)以上の通直材の生産を目標とした施業法を検討するために,3,000,5,000,7,000本ha^<-1>で植栽されたセンダン幼齢林において,植栽後5年間の成長経過と幹材の形状を調査した。樹高成長量は2年生時に2.2〜2.6m yr^<-1>と最大になり,5年生時には1m yr^<-1>であった。5年生時の平均樹高は10.1〜10.6mで植栽密度の影響は認められなかった。枝下高は植栽密度が高いほど高くなったが,5年生時にはすべての植栽密度で目標の4mを超えた。胸高直径成長量は1年生では3.2,2.9,2.5cm yr^<-1>と植栽密度が低いほど大きかった。しかし,5年生時では0.4,0.4,0.3cm yr^<-1>といずれも目標値の1cm yr^<-1>以下となり,植栽密度の影響はみられなくなった。5年生時における幹長4mの幹曲がり(最大矢高)の平均値は12.1,9.8,8.4cmと植栽密度が高いほど小さく,植栽密度を高くすることで幹曲りは小さくなった。以上の結果から,センダン人工林において目標とする用材を確保するためには,植栽密度を高くして通直性を高め,さらに枝下高4mを確保した後に,1cm yr^<-1>の直径成長量を維持するための間伐による本数管理を行うことが重要であるといえる。

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© 2010 森林立地学会
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