抄録
山梨県富沢町の路網を対象にGISによる林道機能と路網配置の評価をおこなった。この研究では,GISを利用して林道の持つ連結性,到達性機能の数値化を試み,路線機能と高機能路線の配置について検討をおこなった。結果から明らかなとおり,到達性を表す機能値,連結性を表す機能値ともに手作業での選定に良く一致していることが確認された。一方,各トラックごとに求められた連結,到達機能の高い林道が中心からの距離に関わらず一定値となるのに比べ、連結性の高い林道は外部に向かうにつれて減少する傾向が認められた。また,高機能路線の位置図とこれらの分析結果を利用することにより,高機能な路線の少ない地域を選定しこれを補強するなど,循環路網設計にも有効に利用することが可能であると考えられる。最後に,これら路網分析へのGISの導入は非常に効果的であり,セクター,トラックごとの分析や,高機能路線位置の出力などが容易におこなえることが確認された。