森林利用学会誌
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論文
林業用大型機械による作業跡地の経年変化
有賀 一広岩岡 正博酒井 秀夫小林 洋司
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1997 年 12 巻 2 号 p. 83-90

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抄録
半脚式機械の作業直後の歩行跡の穴の大きさは,幅50cm,長さ60cm,深さ30cm程度で,平坦な作業道上では約3mごとに生じていた。穴の土壌支持力は未歩行地とほぼ等しかった。したがって,歩行時に脚によって表層土が削り取られたが,締め固めはほとんどなかった。1年経過後は,穴の深さが約10cm浅くなり,穴が原因となる路体崩壊も生じていなかった。土壌支持力も変化はなかった。履帯式車両の轍深さは5cmから10cm程度であったが,スキッダによって掘削された地点では最大43cmになっており,4年経過後も顕著な減少は見られなかった。ハーベスタ走行跡地の土壌支持力は,4年経過後には未走行地と変わらないまでに回復しており,未走行地に対する走行跡地の乾燥単位体積重量も徐々に減少していることが確認できた。しかし,有機物含有量に変化はなく,未走行地よりも低い値のままであった。
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© 1997 森林利用学会
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