森林利用学会誌
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論文
段軸可変輪距機構を有する育林作業用車両の特性
山田 健佐々木 尚三小林 洋司及川 良一郎
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1997 年 12 巻 2 号 p. 91-98

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抄録
林野庁の機械開発事業により,急斜不整地に対応するための育林作業用車両を開発した。本機は静油圧駆動,4輪三角クローラ,アーティキュレイト式操舵,段軸可変輪距機構,チルト機構を持つキャビン・ブーム一体型旋回台,オペレータが車両の姿勢を正確に把握するための車体姿勢表示装置などの特徴を有している。森林総研構内および国有林内伐趾地において走行試験を行った結果,優れた走行性能が明らかになると同時に,a.操舵時に車体屈折外側に転倒しやすい,b.三角クローラが急斜不整地で取付け軸を中心に回転しやすい,c.不整地でスリップしやすい,という問題点が見いだされた。それらに対し,a.操舵時に屈折外側ヘブーム操作しないよう注記する。b.クローラとスイングアームの間にチェーンによるストッパを取付ける。c.走行系油圧回路に分流弁を設けて差動機能を制限する,という対策を立てた。
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© 1997 森林利用学会
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