森林利用学会誌
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論文
遮蔽物の透過率に基づく森林地帯におけるGPS電波の受信可能性
後藤 純一齋藤 卓也宮崎 雅幸
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キーワード: GPS, 基準点測量, SN比, 樹冠
ジャーナル オープンアクセス

2000 年 15 巻 1 号 p. 11-18

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抄録

森林地帯において基準点測量のためにGPS測位を実施することを目的に,測量に先立って測点で撮影した全天写真を用いて測量に最適な時間帯を抽出しようとした。実験地で受信したGPS衛星からの電波の信号対雑音比(SN比)に影響を及ぼす要因として,全天写真から測定した任意の点の輝度に基づく透過率と衛星の仰角に着目した。遮蔽物がない場合のSN比は仰角に対応した期待値として予測できる。遮蔽物に起因した受信条件を評価する尺度として,全天写真に撮影された任意の点近傍の開けた空の輝度に対する衛星通過点の輝度の百分率を輝度に基づく透過率と定義した。この透過率とSN比の仰角に基づく期待値からの低下を回帰式における下限の信頼限界として示した。以上の結果から任意の位置にあるGPS衛星からの受信電波が測位に利用可能なSN比を満足しうるかを判定し,GPS測位を実施する上での最適な時間帯を示すプログラム(EYE)を構築した。

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© 2000 森林利用学会
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