林道が横断する谷流域の集水面積の頻度分布に関する理論をHortonの法則の第1法則である流域数の法則と第4法則である集水面積の法則を主谷の片側に流入する谷流域に拡張することにより導いた.この理論は,堀らが報告した理論を拡張したものである.堀らの理論は適用可能な山腹の地形条件に制約があるが,この理論には無い.地形図上において測定した集水面積の頻度分布は,理論値とおおむね一致した.また,コンピュータ上において酔歩モデルにより作成した3種類,90通りの山腹に適用した結果,一部には不適合のデータがあったが,多くのデータではおおむね一致した.この分布則を実際に利用するためには,分岐比と面積比の推定方法を明らかにする必要がある.