森林利用学会誌
Online ISSN : 2189-6658
Print ISSN : 1342-3134
ISSN-L : 1342-3134
論文
集材可能範囲を考慮した路網配置計画法の構築
櫻井 倫仁多見 俊夫小林 洋司
著者情報
キーワード: 路網配置, 最大集材距離
ジャーナル オープンアクセス

2004 年 19 巻 2 号 p. 119-126

詳細
抄録

路網配置計画区域内のすべての箇所が道路から所定の集材距離以内で集材可能となるような路網配置計画法を構築した。最大集材距離と集材可能範囲を因子として計画区域内に道路の到達点(ノード)を抽出し,すべてのノードを最小の開設延長で結ぶ路網の算定を行うプログラムの開発を行った。ノードは「既設の道路から最も遠いグリッドを集材可能とする」という前提により選定した。尾根越えとなる集材は排除し,計画区域内すべてのグリッドが集材可能となるまでノードの選定を繰り返した。求めたノード相互間および既設道と各ノード間の距離を勾配と曲線による制限条件を考慮してDijkstra法により求め,合計開設延長が最短となるようにノードを結んだ。構築したシステムを600m四方の矩形モデルに適用したところ,比較的効率のよい路線が算出され,最大集材距離が短いほど効率的な配置が得られた。実際の急傾斜地に対してシステムを適用した結果,必ずしも良好な結果は得られず,プログラムの改善の必要性が示された。

著者関連情報
© 2004 森林利用学会
前の記事 次の記事
feedback
Top