森林利用学会誌
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19 巻, 2 号
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論文
  • 呉 宰憲, 朴 範鎭, 有賀 一広, 仁多見 俊夫, 車 斗松, 小林 洋司
    原稿種別: 本文
    2004 年 19 巻 2 号 p. 97-106
    発行日: 2004/08/15
    公開日: 2017/04/03
    ジャーナル オープンアクセス
    本研究は森林地域を走行する履帯型小型林内作業車の乗車振動と乗車感について検討した。三種類の森林路面に対し乗車振動と加振機を利用したオペレータの垂直方向の振動伝達率を測定分析した。その結果,履帯型小型林内作業車の乗車感に一番大きな影響を与える振動成分は座席のY軸であった。振動伝達率においては,尻と頭で3.8Hzの共振周波数が確認されたが,頭の場合は8.2Hzでも2次共振周波数が確認された。また,頭の振動増幅率は98%で尻の増幅率よりさらに大きくなることがわかった。座席振動レベルの評価においては,ISO2631-1の健康限界注意領域を基準として評価した結果,履帯型小型林内作業車のオペレータが一日に継続的に30分以上運転すると潜在的な健康上の危険があることが分析された。
  • 瀧本 義彦, ヨフイ エフイ ユリアテイ, 松原 周信
    原稿種別: 本文
    2004 年 19 巻 2 号 p. 107-118
    発行日: 2004/08/15
    公開日: 2017/04/03
    ジャーナル オープンアクセス
    インドネシアのジャワ島の人工林で2003年2月〜3月に,マツヤニ収穫作業における労働負担に関する調査を行った。この収穫作業では3つの主な作業(初めの傷付け作業,採取作業と再傷付け作業)があるが,今回はこのうち採取作業について報告する。この研究では,荷物の負荷と地形条件の影響を中心に労働負担を検討した。作業時のデータは歩数と心拍数(後でエネルギー消費量に換算)を測定し,併せて作業能率を知るためにタイムスタデイを行った。その他,歩行時の標準的な労働負担を知るために,荷物の負荷で2条件L(荷物あり)とE(荷物なし),地形で3条件(平坦地,15%の上りと下り)の歩行テストを行った。作業者は年齢によって,3人を選んだ。この結果,EE(エネルギー消費量)の場合,L歩行(上り,平坦と下り,0.099-0.2029kcal/kg/min)はE歩行(0.0327-0.0764kcal/kg/min)より高かった。そして,平坦地歩行(L及びE)の平均EE(0.0327-0.1201kca1/kg/min)が最低だった。L歩行(上り,平坦と下り)の歩数は195-238,E歩行の場合は188-227だった。さらに,実際の作業時の結果では荷物負荷の増加量とEE増加量の関係は比例した。そして,地形条件とEEの関係も比例した。これらにより,歩行時の場合,荷物の負荷条件だけではなく地形条件がEEに影響を及ぼすことが明らかになった。
  • 櫻井 倫, 仁多見 俊夫, 小林 洋司
    原稿種別: 本文
    2004 年 19 巻 2 号 p. 119-126
    発行日: 2004/08/15
    公開日: 2017/04/03
    ジャーナル オープンアクセス
    路網配置計画区域内のすべての箇所が道路から所定の集材距離以内で集材可能となるような路網配置計画法を構築した。最大集材距離と集材可能範囲を因子として計画区域内に道路の到達点(ノード)を抽出し,すべてのノードを最小の開設延長で結ぶ路網の算定を行うプログラムの開発を行った。ノードは「既設の道路から最も遠いグリッドを集材可能とする」という前提により選定した。尾根越えとなる集材は排除し,計画区域内すべてのグリッドが集材可能となるまでノードの選定を繰り返した。求めたノード相互間および既設道と各ノード間の距離を勾配と曲線による制限条件を考慮してDijkstra法により求め,合計開設延長が最短となるようにノードを結んだ。構築したシステムを600m四方の矩形モデルに適用したところ,比較的効率のよい路線が算出され,最大集材距離が短いほど効率的な配置が得られた。実際の急傾斜地に対してシステムを適用した結果,必ずしも良好な結果は得られず,プログラムの改善の必要性が示された。
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