本研究の目的は,温度変化のある環境において,通気型フレコンを利用することで木質チップの乾燥が可能であるか,また含水率推定モデルは適用可能か明らかにするとともに,含水率推定モデルのパラメータの特性を明らかにすることである。このために,周期的に加温される環境と,温度調節を行わない室内環境において,通気性の小型疑似フレコン内部の木質チップの含水率を経時的に測定した。この結果,チップボイラの排熱を利用した加温はチップの乾燥の促進に有効であること,通気型フレコンを利用した木質チップの自然乾燥は数か月以上の長期間かかるものの可能であることが明らかになった。疑似フレコン内部の木質チップの平均含水率を,含水率推定モデルを用いて推定した結果はよく適合しており,このモデルは温度変化のある環境においても適用可能と判断された。モデルの係数kは,実験期間中の平均温度との関係がみられ,bを定数と考えると,kと通気性面からの距離との関係がよりはっきりすることがわかった。