2021 年 36 巻 1 号 論文ID: 36.63
森林内での位置情報の取得は森林管理から素材生産まで幅広く利用可能な重要な技術である。しかし,森林内ではGNSS を利用してリアルタイムで正確な位置情報を取得することは困難である。特に近年注目されている林業機械の自動走行について考えると,リアルタイムでの位置情報の取得は必要不可欠である。本研究では林内の自己位置推定技術として測域センサおよびRGBD カメラによるSLAM に着目し,精度の検討を行った。Robot Operating System 上で実装があるSLAM として,測域センサを利用したLOAM,hdl graph slam,RGBD カメラを用いたVisual SLAM としてORB-SLAM2,RTAB-Map について検討を行った。それぞれ,水平方向のRMSE がLOAM では0.526 m,RTAB-Map では0.619 m という結果が得られ,他センサと統合することでGNSS を十分に使用できない林内環境においてLRF およびRGBD カメラを用いたSLAM は位置推定手法として十分に適用できる可能性があることが示唆された。