2021 年 36 巻 1 号 論文ID: 36.57
森林作業道切土のり頭に残されたヒノキ立木の引き倒し試験を行った。道側(斜面下方)への引き倒しと,山側(斜面上方)引き倒しでは最大抵抗モーメントに有意な差はなかった。最大モーメントに達するまでの樹幹の変位角は上方の方が小さかった。最大抵抗モーメントは胸高直径,樹高および形状比と有意な関係にあった。本研究では道側の根系すなわち,立木の根系の半分が除去された状態で引き倒し試験を行い,既報の引き倒し試験と比較して抵抗力に差はなかった。しかしながら根系の引き倒し負荷に対する弾性限界が小さいことが示された。